サントリーホール40周年記念ガラ・コンサートに足を運びました。クラシック音楽を聴く喜びを初めて教えてくれた、私にとって思い入れのあるホールです。
大ホールは、舞台を囲むように客席が段々に連なる「ヴィンヤード型」。ヴィンヤードは、英語で「葡萄畑」です。舞台の向こうにも広がる客席を眺めながら、ふと自分の会社の名前と同じことに気づき、驚きとともにうれしさが込み上げてきました。
オーケストラを聴いていると、ひとつの楽器の音を追っていた耳が、ふと全体の響きに戻る瞬間があります。ひとつの音に耳を澄ますことと、全体の響きに耳をひらくこと。その行き来は、私が産業医として大切にしていることにも通じます。一人ひとりの言葉に耳を傾けながら、その人が日々を過ごす職場にも目を向ける。そうして初めて見えてくることがあります。
私がかつてそうだったように、これからもこの「葡萄畑」の客席で、音楽を聴く喜びに出会う人がいますように。
